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2013/02/12

60周年記念展示: 御報告とお知らせ


  

 

ご報告が遅くなりましたが、1月31日、能楽研究所設立60周年記念の展示・前期「みちのくの能・狂言」(国立能楽堂展示室)が、無事終了しました。

写真は、30日に列品講座も兼ねて行われた、宮本所員による公開講座(国立能楽堂大講義室)の案内板です。講座の様子はスマホのカメラでは撮れなかったので、看板だけでお許しください。

講義室はほぼ満員。東北各地の大名家と能の関係、残された能面の話、近・現代の状況まで、東北地方と能・狂言にかかわる幅広い話題で1時間半ほどの講義を聞いた後、展示室で実際の資料に即した解説を聞くという形で、参加のみなさんには大変好評でした。 多くのご参加、ありがとうございました。


記念展示の後半は、2月20日~3月20日。場所は同じく国立能楽堂展示室。能楽研究所が最近購入した『能御絵鑑』と国立能楽堂所蔵の『能絵鑑』とを同時に展示いたします。精緻に描きこまれた能装束や作リ物の美しさは一見の価値あり。こちらも、是非、ご来場ください。


2013/01/01

謹賀新年 2013



 










新年明けましておめでとうございます。

昨年は、能楽研究所60周年のさまざまな行事に皆様から多大なご協力を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。

実は、大学は4月から3月の年度で動きますので、今年も3月までは60周年行事が続きます。
現在開催中の記念展示「みちのくの能・狂言」、2月下旬から始まる『能絵鑑』の展覧会(ともに国立能楽堂展示室)も、60周年の節目として一生懸命準備してきたものです。これらの展示にも、
どうぞ皆様お誘い合わせの上、ご来場くださいますよう、あらためてお願い申し上げます。

また、4月からは61年目の能研として、気持ちも新たにさまざまな活動をおこなっていく予定です。本年も、変わらぬご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

2013年が、皆様にとって素晴らしい一年になりますように。

                                                                                                                       2013.1.1

2012/12/29

坂本勝前所長の受賞!

能楽研究所の前所長、坂本勝教授が、「古事記出版大賞・しまね古代出雲賞」を受賞されました。おめでとうございます。日本文学科のサイトに詳しい情報がありますので、どうぞご覧下さい。

http://nichibun.ws.hosei.ac.jp/wp/

2012/12/13

みちのくの能・狂言

能楽研究所創立六十周年企画の第三弾として、昨日から国立能楽堂展示室において「みちのくの能・狂言」と題する展示が行われています。

国立能楽堂との共催により、同能楽堂の「収蔵資料展」の枠組みで開催される展示ですが、今回は企画も含めて、私が担当する大学院の授業「能楽資料研究」に参加する学生が中心となって行ってきました。

それぞれ企画案を持ち寄って相談した結果、学生の一人の「今だからこそ、ぜひみちのくの能・狂言を取り上げたい」という企画に全員が賛同。それから展示する資料を選定し、キャプションを執筆し、と、二か月かけて取り組んできた成果をご覧いただきます。

能の作品には東北を舞台にしたものが数多くあります。また、東北諸藩の中にも能を盛んに行っていたところが少なくありませんでした。黒川能や中尊寺の僧侶による能など、興味深い伝承もあり、ネタには事欠きません。ところが、意外にもこれまで東北と能とのかかわりを取り上げた展示というのはほとんど聞いたことがありません。私が知る範囲内では、今から三十年くらい前に秋田県立博物館で「東北の仮面」と題する展示が行われたのが、ほとんど唯一の例外といってよいのではないでしょうか。

ということで、今回は東北に関するなかなか新しい一面をご紹介できるのではないかと思っています。あらためて調べてみると、能楽研究所の資料の中にも、東北関係のものが意外に沢山ありました。展示資料の中にも、今回が初公開というものも少なからず含まれています。
一月三十一日まで開催中。三十日には展示に関連する講座も開催いたします。
詳細は下記アドレスをご参照ください。

http://www9.i.hosei.ac.jp/~nohken/activities/events.html
http://www.ntj.jac.go.jp/nou/event/1884.html

2012/11/26

今年も現代能楽論(身体芸術論)

今年度も、現代能楽論(身体芸術論)の実習が終わりました。矢来(九皐会)と青山(銕仙会)の能楽堂をお借りして、それぞれ2コマ(3時間)ずつ。
昨年度は矢来での様子(唐織を実際に手にとりはおり、もう一度たたんでしまう練習)を報告しましたので、今年は青山での実習の様子を。

まずは舞台に上って能舞台各所の説明。それから謡の練習。〈猩々〉の謡の最後(醒むると思へば…めでたけれ)を、いきなり無本、口移しで一人ずつ謡わされ、一番はじめに「はいやってみましょう」と言われた女子学生など、銕之丞先生の迫力(お優しいのですが迫力はスゴイ)に泣きそうな顔。でも、みなさん元気に謡っていました。




 
それからカマエとハコビ、サシコミ・ヒラキ、左右などの基本を少し。






能の所作の難しさを実感した後、銕之丞先生の〈序ノ舞〉と〈舞働〉を見せていただきます。贅沢!(残念ながらその部分の写真はありません)

そして装束の着付を体験し、素晴らしい能面のいくつかを見せていただきながらお話を聞いて、終わりました。
 着付けが済み、能面のどこを持つか、教わっています。
 
  

 こちらは鬼の着付けです。













毎回、銕之丞先生と、助手をつとめる安藤先生にお世話になり、このような貴重な経験をさせていただいています。
今年は少人数だったこともあり特に、銕之丞先生の様々な言葉が学生の胸にしみ入っている様子が伝わってきました。やはり、本物の迫力は、スゴイです。ありがとうございました。


 










60周年記念シンポジウムのスナップ

 
去る11月18日(日)、能楽研究所創立60周年記念シンポジウム「能の所作を考える―通底するもの・際だつもの―」が無事終了しました。おかげさまで、のべ180~190名ほどの方々にご参加いただき、大盛況でした。こういう催しは、まずはたくさんの方に聞いていただくことが大事だと思います。当日はいろいろと面白い能の会などもありましたが、午前中だけ、午後だけ、という形でこちらにもお運びくださったかたも多く、感謝・感激です。ありがとうございました。
各講師の皆様のお話も大変おもしろく、全体討議も盛り上がりました。登壇者のみなさま、また会場からご意見やご質問をくださったみなさま、そして、朝10時から夕方5時半までの長丁場をおつきあい下さったたくさんのみなさまに、心から御礼申し上げます。

当日のスナップを載せておきます。




 
 



以下は、昼休みのロビーの様子です。能コンポーザーの実演や、15日(木)のワークショップの内容を掲示したポスターセッションにも興味を示してくださる方が多くいらして、ほっとしました。(閑古鳥が鳴いていたらどうしようかと思っていました。)



 












 
木曜日のワークショップでは説明しきれなかった問題をポスターにしました。
 


そして最後はお祝いに頂いたお花です。


 
           

2012/11/16

能楽実験工房

昨日、青山の銕仙会の舞台で、江戸初期の型付を実験的に復元するというプロジェクトを行いました。



能研の山中所長ほか、若手メンバー(中司・江口・深澤・柳瀬)が中心となって数年読み進めてきた金春流の秋田城介型付に関する共同研究の成果報告で、能楽学会の例会とタイアップしての企画です。




江戸初期の型付に見える用語をどう解釈すればよいのか。演者(金春流の井上貴覚氏と観世流の馬野正基氏)と数回にわたって議論を交わした試行錯誤の経緯の説明があった後、実験的に復元した型を、現行の型と比較しつつ、実演でご覧いただきました。



その成果は明後日(18日)行われる能研六十周年記念イベントの「能の所作を考える」でも、ポスターセッションとしてみなさんにご紹介する予定です。

2012/11/13

福岡市博「能のかたち」展に行ってきました

先の土曜日、福岡市博物館で行われている「能のかたち」展に行ってきました。

能面・装束の名品、福岡藩黒田家と能との関わりを物語る資料を紹介する展示で、能楽研究所からも黒田家旧蔵の謡本やお抱え役者、梅津只円に関する資料などを出展いたしました。

展示では、井関・出目という二大世襲面打家の作品が一堂に会した能面コーナーがなんといっても見もの。

一般には馴染みが薄いのですが、大光坊作の面や井関親信・親政といった名工の作品を同時に鑑賞できるのは、能面好きにとって小躍りしたくなるようなことなのです。

というのも、これらの能面は北は東北地方から南は高知県まで各地に分散していて、同じ作者の作品を一か所で集中して見る機会がほとんどありません。よくぞ集めてくれました、と担当の学芸員に心の中で拍手喝采した次第。

この展示、こないだの日曜日で終わってしまいましたが、図録はまだ買えます。かなり分厚く、解説もなかなか力のこもった充実した一冊。
通信販売は十二月二十七日までだそうで(下記アドレスにアクセスしてください)、ご関心の向きはぜひ!
http://museum.city.fukuoka.jp/blog/news/1394/

2012/10/01

60周年記念シンポジウム「能の所作を考える」


 
 

11月のシンポジウムのお知らせです。入場無料。

どうぞふるってご参加ください。

 


創立60周年記念シンポジウム

能の所作を考える―通底するもの・際だつもの―


日本の伝統芸能である能や狂言の所作について、幅広い視野の中で考えてみようという企画です。近年能楽研究所で進めてきた能の所作や型付に関する研究の、中間成果報告でもあります。日本の伝統芸能や古武術等に通底する「日本的な所作」というものがあるのか、ないのか。あるとしたらそれはどんなものか。逆に、他の芸能や武術と能を区別し能を能たらしめている所作の特徴とはどんなものか。能楽の身体作法は日本人にしか合わないものなのか、それとも、広く民族や文化を越えて合理的に伝えていくことができるのか。そもそも、演じられては消えていくことが宿命の芸能の所作を、それぞれの特徴を失わず伝えていくということはどういうことなのか、等々。様々な分野から講師をお招きし、豊かな経験や最新の研究成果に裏打ちされたお話に耳を傾けるとともに、活発な議論を交わせる場ともなれば幸いです。


日時 1118日(日)10:0017:30

会場 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー26階スカイホール

タイムテーブル    (総合司会 宮本圭造)

10:00-10:15  開会の挨拶・趣旨説明                      山中玲子

10:15-11:00 講演:狂言の「型」―表現法の本質に迫る―  
                     ヒーブル・オンジェイ

11:05-11:50 講演:身体運用の根幹を知る―背・大腿・股関節―   
                                        甲野善紀

11:50-13:10   (昼休み&ポスターセッション*)

13:10-13:40 研究報告:文理融合による能の所作研究  中司由起子

13:45-14:25 対談:能の所作と伝承 
                 観世銕之丞(聞き手:山中玲子)

14:25-15:05 対談:歌舞伎の所作・踊りの所作  
                   中村京蔵 (聞き手:児玉竜一)

15:05-15:15     ( 休憩 )

15:15-17:15 登壇者による討議と全体討議 

 
*ポスターセッション 「江戸初期能型付に基づく実験的復元」

11:50 13:00  スカイホール前ロビーにて
                  江口文恵(能楽研究所兼任所員)
                  柳瀬千穂(法政大学大学院生)
                  深澤希望(法政大学大学院生)

 

【登壇者紹介】

Hýbl Ondřej ヒーブル・オンジェイ(茂山千五郎家狂言研修生、なごみ狂言会チェコメンバー)

1977年チェコ共和国生まれ。大阪大学大学院博士課程修了。大蔵流狂言師 茂山七五三に師事。狂言台本のチェコ語訳、英語訳を行い、自ら設立した狂言専門のプロ劇団「なごみ狂言会チェコ」の総合プロデューサー、役者として、ヨーロッパ各国で定期的にチェコ語による狂言を上演。主な論文に「国際化する狂言-狂言台本翻訳の歴史を巡って」。

◆甲野善紀(武術研究者) 1949年東京生まれ。20代の初めに「人間にとっての自然とは何か」を探求するため武の道に入り、78年に「松聲館道場」を設立。他流儀や異分野との交流、古伝書の解読など独自の武術研究を通して、剣術、抜刀術、体術、杖術などを探求する。2000年頃からその技と術理がスポーツに応用されて成果を挙げ、さらに楽器演奏や介護、ロボット工学や教育などの世界から関心を持たれ、2007年から3年間、神戸女学院大学の客員教授も務めた。著書に『剣の精神誌』『武道から武術へ』『自分の頭と身体で考える』(共著:養老孟司)など多数。

◆中司由起子(法政大学能楽研究所兼任所員)1972年山口県生まれ。法政大学大学院博士課程満期退学。法政大学・フェリス女学院大学非常勤講師。専門は能・狂言。主な論文に、「型付における「回ル」―能楽型付の記述ルールの研究(2)」「国立能楽堂蔵「狂言台本・間本ほか能狂言関係書」目録」など。

◆観世銕之丞(能楽シテ方観世流) 1956年東京生まれ。本名は観世暁夫。八世観世銕之丞の長男。伯父観世寿夫および父に師事。19604歳で初舞台。64年『岩船』で初シテを勤める。2002年に九世観世銕之丞を襲名。2011年、紫綬褒章を受賞。公益社団法人銕仙会理事長。公益社団法人能楽協会副理事長。著書に『能のちから 生と死を見つめる祈りの芸能』(青草書房)。京都造形芸術大学評議員、都立国際高校非常勤講師、法政大学デザイン工学部客員教授。

◆中村京蔵(歌舞伎俳優) 1955年生まれ。本名は両川宗男。屋号は京屋。79年法政大学第二文学部日本文学科卒業。80年国立劇場歌舞伎俳優養成所第6期生となり、82年修了後、中村雀右衛門に入門、中村京蔵を名のる。94年名題昇進。2005年伝統歌舞伎保存会会員に認定。99年歌舞伎座賞。2002年・08年に国立劇場奨励賞。2007年日本俳優協会賞、芸術祭舞踊部門新人賞。千葉大学、多摩美術大学等で非常勤講師。海外歌舞伎レクチャー公演の出演も多数。

◇児玉竜一(早稲田大学文学学術院教授)1967年兵庫県生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。専門は歌舞伎研究。編著に『能楽・文楽・歌舞伎』(教育芸術社)、『古典芸能のなかの映画』(森話社)など。『演劇界』、朝日新聞等に歌舞伎評を執筆。

◇山中玲子(法政大学能楽研究所教授) 1957年東京生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。博士。専門は能・狂言。特に能の作品研究・演出研究。著書に『能の演出 その形成と変容』(若草書房)、『能を面白く見せる工夫 小書演出の歴史と諸相』(共著、檜書店)他。

◇宮本圭造(法政大学能楽研究所准教授)1971年大阪生まれ。大阪大学大学院博士課程修了。博士。専門は能楽史。著書に『上方能楽史の研究』(和泉書院)。 


 

2012/09/20

世阿弥忌セミナー

少し前のことになってしまいましたが、八月に行われた世阿弥忌セミナーについてのご報告です。

八月八日は世阿弥の忌日にあたるため、毎年その日に合わせて奈良で世阿弥忌セミナーという能楽学会の催しが行われています。

今年は『世子六十以後申楽談儀』をテーマに、研究発表四本と対談があり、能研の山中さんも対談の聞き手として登壇しました。

その対談、「能役者と『申楽談儀』」というタイトルで、観世銕之丞氏が『申楽談儀』に出てくる様々な曲の演じ方についての記事を取り上げ、演者ならではの解釈を披露するという、興味深いものでした。

『申楽談儀』には、節訛りや節扱いに関して、個々の曲に則した実に具体的な記事が多くみられます。けれども、研究者にはなかなか手に負えないこともあって、これまで十分に検討されていません。今回の企画は、『申楽談儀』を読むうえで、そうした演者と研究者との共同研究が不可欠であることを明らかにした点でも有意義だったと思います。欲を言えば、対談形式ではなく、少人数による輪読形式の方が議論が深められたかな、という感もありますが、それは今回の催しではないものねだりというもの。でも、いつか能研でそのような場を提供できればとひそかに考えた次第です。

2012/09/14

着々準備中


以前にも少しお知らせしましたが、今年の秋、11月には、能の所作を考えるワークショップとシンポジウムを行います。

★ワークショップ「江戸初期型付に基づく実験的復元」

11月15日(木) 午後6時~午後8時30分   青山の銕仙会能楽研修所 
 
  タイトル通り、江戸時代初期の金春流型付を元にして、〈田村〉〈千手〉〈自然居士〉〈山姥〉の当時の舞(クセ・キリなど一部)を実際に復元し、能楽師の方に舞っていただくというものです。古型付には独特の用語や記述法があります。我々は2年間にわたって毎月研究会を開き、当時の舞がどのようなもので、それをどういうルールで記述しているのかを追究してきました。まだ判らないこともたくさんあるのですが、今回はできるだけの資料を揃えたうえで、このような研究に理解のある、演者の協力を仰ぎ、資料から読み取れる動きを舞台上で実際に演じて頂きます。
 
  どうしても資料通りでは動けないところもあるかもしれません。その場合は、どうして動けないのか、演者の方の説明を聞き、考えます。掲載した写真は、こちらで揃えた資料をもとに、演者と担当者が侃々諤々の議論をしているところです。3時間半も続いていました!
  
 
 近日中に、詳しいお知らせをアップします。平日の夜の開催ですが、場所は青山(表参道駅徒歩3~4分)の銕仙会舞台。参加費は無料です。是非是非お誘い合わせのうえ、お越しください。


★シンポジウム「能の所作を考える―通底するもの・際だつもの」

11月18日(日) 午前10時~午後5時30分  法政大学市ヶ谷キャンパス

  こちらは能楽研究所創立60周年記念行事の一つ。近年能楽研究所で進めてきた、文理融合による能の所作研究の目標や成果をお伝えしつつ、日本の伝統芸能である能や狂言の所作について、幅広い視野の中で考えてみようという企画です。古武術の研究家、歌舞伎役者、能役者、本格的な修行を経てヨーロッパで狂言を演ずる外国人、いろいろな立場、視点から語って頂きます。登壇者全員の討議や、会場にお越しのみなさんとの全体討議の時間もあります。
  こちらも入場無料。市ヶ谷キャンパスで一番高いビル、ボアソナードタワーの26階スカイホールが会場です。現在、ポスターやチラシの制作中。チラシができあがり次第、詳しい情報をアップします。どうぞふるってご参加ください。


 
 

2012/09/07

表章先生三回忌

昨日(9月6日)は、本学名誉教授、表章先生の三回忌でした。
表先生は創立以来、長年にわたって能楽研究所の発展に尽力され、御退職後も、われわれの活動を様々な形でサポートしていただいた大恩人です。
表先生がお亡くなりになる前日までお使いになっていた机は、今もそのままにしていますが、三回忌にあたる昨日は、その机の上に表先生のご遺影を飾り、先日刊行された『能楽研究』の表先生追悼号をお供えして、所員の皆でしばし表先生を偲びました。

その表先生が2008年に法政大学でなさった「能楽研究の百年」と題する講義を収録したDVDが近く能楽研究所から発行されます。これはすでにyoutubeでも閲覧ができるようになっていますが(能楽研究所のホームページの下にバナーが出ています)、能楽研究所創立六十周年の記念プレスとして限定発売する予定です。出来上がりましたら、また告知させていただきます。

表先生がお亡くなりになってから早くも二年が経ちますが、研究所でこの映像を見ていると、今でも机の向こうで先生がお仕事に励んでいらっしゃるような錯覚を覚えるから不思議です。

2012/07/30

国立能楽堂公開講座のご案内

暑い日がつづいていますが、皆さん無事お過ごしでしょうか。

さて、来る8月24日(金)午後4時より、国立能楽堂公開講座でわたくし小秋元が、「『義経記』と室町時代の義経伝承」と題する話をいたします。今日でこそ、『義経記』はそこそこ知られた古典といえますが、室町期には読まれた形跡があまり見られません。この作品は近世初頭、出版文化の開花とともに流布するようになったと考えられます。室町時代の義経伝承を考える際には、まずこのことを念頭に置く必要があると感じています。そんなことを起点に2時間、お話をする予定です。

応募方法等については、国立能楽堂のサイトをご覧ください。
http://www.ntj.jac.go.jp/assets/files/nou/pdf/20120529_chair_schedule.pdf

2012/07/19

プリンストンからの贈り物

今日の午後の山中ゼミは、いつもと趣向を変えて、アメリカのプリンストン大学から能研に短期留学中のパトリック・シュウェマーさんによる研究発表が行われました。

プリンストン大に所蔵されている新出の舞曲絵巻「相模川」を紹介して、その描写の特徴や製作背景を考察するという内容で、詞書の筆者が朝倉重賢であること、画風から十七世紀後期の作と考えられること、「相模川」を絵巻化した作例としては現存唯一のものであることなど、スライドショーを効果的に使って手際よく、ご報告いただきました。

聴講の学生も興味津々。今回は、文学部の小秋元・伊海両先生のほか、慶應義塾大の石川透先生にも特別においでいただきました。

シュウェマーさんのお話しは「相模川」絵巻にとどまらず、ポルトガルの宣教師が十六世紀末に書いた和訳聖人伝の文体が舞曲調であることなど、広く舞曲の文芸的展開を視野に入れたもので、今後の展望が大きく期待される内容でしのたで、聴講の学生も大いに刺激を受けたようです。
また、シュウェマーさんにとっても、奈良絵巻の第一人者である石川先生から直接アドバイスを受けるいい機会になり、研究発表が終わった後も、しばらく絵巻談義で盛り上がっていました。

シュウェマーさんは九月まで能研の客員研究員として滞在の予定です。これを機に、シュウェマーさんの研究がますます発展することになれば、能研のスタッフとして、こんなにうれしいことはありません。

今年も「法政学」!

少しアップが遅くなってしまいましたが、6月の末、今年度も学部学生対象の授業「法政学への招待」に参加いたしました。大原社会問題研究所、沖縄文化研究所、能楽研究所、の3研究所がどのような経緯で大学内に作られ、どのような活動をしているか、それぞれ持ち時間20分あまりで説明する、というものです。写真は、能研の歴史と、それから宝物の一つ『二曲三体人形図』がどんな紙にどのように描かれているかを説明しているところです(もちろん、本物を振り回しているわけではありません)。

今回は、能研の活動の一部(前回ご紹介した表先生の特別講義や、毎年秋に行っている能楽セミナー)をポッドキャスティングの形で公開している、という点に感動してくれた学生さんがいて、アンケートにも「ポッドキャスティングなんてやってるんですね。さすが能研!」なんて書いてくださって、嬉しかったです。文学の研究者たちは一般的にこういう活動には冷淡なので、ときどきむなしい気持ちになりますが、若い人たちに喜んでもらえると、「やって良かったな」と思います。

今のところ、能楽セミナーや表章教授特別講義は、itunes ストア の ほか、法政のITセンターの
サイトからもダウンロードできます。表先生の特別講義は、前回のお知らせ通り、you-tube でも見られます。 どうぞ、ご覧になってみてください。

授業のときにも言いましたが、能研はこれからもっともっと、学部の学生さんたちとのつながりを作っていきたいと考えています。法政の卒業生が社会に出て、何かのときに「能? 特に詳しく勉強したわけじゃありませんが、法政にいましたから、まぁ、能のことは知ってますよ」なんて、つぶやいてくれたら、最高です。

2012/07/12

「表章氏能楽特別講義」が視聴できます

能楽研究所元所長、法政大学名誉教授の故表章先生(1927~2010)が、2008年の2月~3月にかけ3回にわたって、能楽論研究・能楽史研究・作品研究の研究史を語る特別講義をなさいました。その様子が、youtube で視聴できるようになりましたので、お知らせします。
能楽研究所では法政大学情報技術(IT)研究センターと協力し、この講義の録画にキャプションや資料の画像挿入等の編集作業をおこないました。同センターのウエブサイトやiTunesのコンテンツサイトからも同じものが視聴できましたが、今回、youtubeからも簡単に見られるようになりましたので、お知らせします。

 なお、各巻の編集作業は、 

 第1巻(能楽論研究)伊海孝充・高橋悠介
 第2巻(能楽史研究)江口文恵
 第3巻(作品研究)中司由起子

の各所員が、中心になっておこないました。


 
 
 

2012/07/08

神奈川県立金沢文庫で解脱上人貞慶展、開催中

神奈川県立金沢文庫で、「御遠忌800年記念特別展 解脱上人貞慶―鎌倉仏教の本流―」が開催されています。

貞慶は鎌倉時代前期に奈良で活躍した学僧で、興福寺において法相の学を修め、春日明神や釈迦、弥勒への信仰を深めました。一般にはあまりなじみがありませんが、まさに「鎌倉仏教の本流」と呼ぶにふさわしい人物といえるでしょう。そうした貞慶の学問と信仰を知る素晴らしい展示です。

なお、本展示は、4~5月に奈良国立博物館で開かれた特別展を引き継ぐもので、出品された資料は多く重なります。奈良へ行けなかったあなた、ぜひ金沢文庫へ。


→もうここを、地井さんが散歩することはないのだなぁ(/_;)

2012/06/10

法政大学国文学会が開催されます

2012年度法政大学国文学会が開催されます。今回は、本学大学院博士後期課程の深澤希望さんの発表「能〈鐘巻〉から〈道成寺〉へ」があります。日時・会場は以下のとおりです。
■日 時    2012年 7月 14日(土) 13時より受付開始
■会 場   法政大学ボアソナードタワー26階 スカイホール

その他の発表・講演等に関する詳細は、日本文学科サイトをご覧ください。
http://nichibun.ws.hosei.ac.jp/wp/

2012/06/09

『国立能楽堂調査研究』第6号をいただきました。

昨日、『国立能楽堂調査研究』第6号を賜りました。本号には、西野春雄法政大学名誉教授の「新出資料『古狂言後素帖』について」が掲載されています。単なる資料紹介にとどまらず、現存する狂言古画を広く視野に収めた論考とお見受けしました。さきの能楽学会大会では能・狂言の絵画資料に関するシンポジウムが開かれましたので、まさに時宜に適った一篇です。

2012/05/14

シンポジウム開催報告

昨日、能楽学会との共催により、「能・狂言の絵画資料」と題するシンポジウムを行いました。



目下展観中の「能・狂言を描く」展に合わせての企画で、宮本の趣旨説明と展示解説に続いて、能研兼担所員の小林健二さんによる基調講演、室町風俗画や絵巻研究の権威でいらっしゃる泉万里さん、東京国立博物館の小山弓弦葉さん、聖母女学院短期大学の藤岡道子さんによる講演の後、講演者とフロアの参加者によるシンポジウムという、盛りだくさんな内容でした。参加者も百十人を超え、大盛況。いつもは静かな特別展の会場も、昨日は人でごったがえしていました。