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2012/10/01

60周年記念シンポジウム「能の所作を考える」


 
 

11月のシンポジウムのお知らせです。入場無料。

どうぞふるってご参加ください。

 


創立60周年記念シンポジウム

能の所作を考える―通底するもの・際だつもの―


日本の伝統芸能である能や狂言の所作について、幅広い視野の中で考えてみようという企画です。近年能楽研究所で進めてきた能の所作や型付に関する研究の、中間成果報告でもあります。日本の伝統芸能や古武術等に通底する「日本的な所作」というものがあるのか、ないのか。あるとしたらそれはどんなものか。逆に、他の芸能や武術と能を区別し能を能たらしめている所作の特徴とはどんなものか。能楽の身体作法は日本人にしか合わないものなのか、それとも、広く民族や文化を越えて合理的に伝えていくことができるのか。そもそも、演じられては消えていくことが宿命の芸能の所作を、それぞれの特徴を失わず伝えていくということはどういうことなのか、等々。様々な分野から講師をお招きし、豊かな経験や最新の研究成果に裏打ちされたお話に耳を傾けるとともに、活発な議論を交わせる場ともなれば幸いです。


日時 1118日(日)10:0017:30

会場 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー26階スカイホール

タイムテーブル    (総合司会 宮本圭造)

10:00-10:15  開会の挨拶・趣旨説明                      山中玲子

10:15-11:00 講演:狂言の「型」―表現法の本質に迫る―  
                     ヒーブル・オンジェイ

11:05-11:50 講演:身体運用の根幹を知る―背・大腿・股関節―   
                                        甲野善紀

11:50-13:10   (昼休み&ポスターセッション*)

13:10-13:40 研究報告:文理融合による能の所作研究  中司由起子

13:45-14:25 対談:能の所作と伝承 
                 観世銕之丞(聞き手:山中玲子)

14:25-15:05 対談:歌舞伎の所作・踊りの所作  
                   中村京蔵 (聞き手:児玉竜一)

15:05-15:15     ( 休憩 )

15:15-17:15 登壇者による討議と全体討議 

 
*ポスターセッション 「江戸初期能型付に基づく実験的復元」

11:50 13:00  スカイホール前ロビーにて
                  江口文恵(能楽研究所兼任所員)
                  柳瀬千穂(法政大学大学院生)
                  深澤希望(法政大学大学院生)

 

【登壇者紹介】

Hýbl Ondřej ヒーブル・オンジェイ(茂山千五郎家狂言研修生、なごみ狂言会チェコメンバー)

1977年チェコ共和国生まれ。大阪大学大学院博士課程修了。大蔵流狂言師 茂山七五三に師事。狂言台本のチェコ語訳、英語訳を行い、自ら設立した狂言専門のプロ劇団「なごみ狂言会チェコ」の総合プロデューサー、役者として、ヨーロッパ各国で定期的にチェコ語による狂言を上演。主な論文に「国際化する狂言-狂言台本翻訳の歴史を巡って」。

◆甲野善紀(武術研究者) 1949年東京生まれ。20代の初めに「人間にとっての自然とは何か」を探求するため武の道に入り、78年に「松聲館道場」を設立。他流儀や異分野との交流、古伝書の解読など独自の武術研究を通して、剣術、抜刀術、体術、杖術などを探求する。2000年頃からその技と術理がスポーツに応用されて成果を挙げ、さらに楽器演奏や介護、ロボット工学や教育などの世界から関心を持たれ、2007年から3年間、神戸女学院大学の客員教授も務めた。著書に『剣の精神誌』『武道から武術へ』『自分の頭と身体で考える』(共著:養老孟司)など多数。

◆中司由起子(法政大学能楽研究所兼任所員)1972年山口県生まれ。法政大学大学院博士課程満期退学。法政大学・フェリス女学院大学非常勤講師。専門は能・狂言。主な論文に、「型付における「回ル」―能楽型付の記述ルールの研究(2)」「国立能楽堂蔵「狂言台本・間本ほか能狂言関係書」目録」など。

◆観世銕之丞(能楽シテ方観世流) 1956年東京生まれ。本名は観世暁夫。八世観世銕之丞の長男。伯父観世寿夫および父に師事。19604歳で初舞台。64年『岩船』で初シテを勤める。2002年に九世観世銕之丞を襲名。2011年、紫綬褒章を受賞。公益社団法人銕仙会理事長。公益社団法人能楽協会副理事長。著書に『能のちから 生と死を見つめる祈りの芸能』(青草書房)。京都造形芸術大学評議員、都立国際高校非常勤講師、法政大学デザイン工学部客員教授。

◆中村京蔵(歌舞伎俳優) 1955年生まれ。本名は両川宗男。屋号は京屋。79年法政大学第二文学部日本文学科卒業。80年国立劇場歌舞伎俳優養成所第6期生となり、82年修了後、中村雀右衛門に入門、中村京蔵を名のる。94年名題昇進。2005年伝統歌舞伎保存会会員に認定。99年歌舞伎座賞。2002年・08年に国立劇場奨励賞。2007年日本俳優協会賞、芸術祭舞踊部門新人賞。千葉大学、多摩美術大学等で非常勤講師。海外歌舞伎レクチャー公演の出演も多数。

◇児玉竜一(早稲田大学文学学術院教授)1967年兵庫県生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。専門は歌舞伎研究。編著に『能楽・文楽・歌舞伎』(教育芸術社)、『古典芸能のなかの映画』(森話社)など。『演劇界』、朝日新聞等に歌舞伎評を執筆。

◇山中玲子(法政大学能楽研究所教授) 1957年東京生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。博士。専門は能・狂言。特に能の作品研究・演出研究。著書に『能の演出 その形成と変容』(若草書房)、『能を面白く見せる工夫 小書演出の歴史と諸相』(共著、檜書店)他。

◇宮本圭造(法政大学能楽研究所准教授)1971年大阪生まれ。大阪大学大学院博士課程修了。博士。専門は能楽史。著書に『上方能楽史の研究』(和泉書院)。