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2012/12/13

みちのくの能・狂言

能楽研究所創立六十周年企画の第三弾として、昨日から国立能楽堂展示室において「みちのくの能・狂言」と題する展示が行われています。

国立能楽堂との共催により、同能楽堂の「収蔵資料展」の枠組みで開催される展示ですが、今回は企画も含めて、私が担当する大学院の授業「能楽資料研究」に参加する学生が中心となって行ってきました。

それぞれ企画案を持ち寄って相談した結果、学生の一人の「今だからこそ、ぜひみちのくの能・狂言を取り上げたい」という企画に全員が賛同。それから展示する資料を選定し、キャプションを執筆し、と、二か月かけて取り組んできた成果をご覧いただきます。

能の作品には東北を舞台にしたものが数多くあります。また、東北諸藩の中にも能を盛んに行っていたところが少なくありませんでした。黒川能や中尊寺の僧侶による能など、興味深い伝承もあり、ネタには事欠きません。ところが、意外にもこれまで東北と能とのかかわりを取り上げた展示というのはほとんど聞いたことがありません。私が知る範囲内では、今から三十年くらい前に秋田県立博物館で「東北の仮面」と題する展示が行われたのが、ほとんど唯一の例外といってよいのではないでしょうか。

ということで、今回は東北に関するなかなか新しい一面をご紹介できるのではないかと思っています。あらためて調べてみると、能楽研究所の資料の中にも、東北関係のものが意外に沢山ありました。展示資料の中にも、今回が初公開というものも少なからず含まれています。
一月三十一日まで開催中。三十日には展示に関連する講座も開催いたします。
詳細は下記アドレスをご参照ください。

http://www9.i.hosei.ac.jp/~nohken/activities/events.html
http://www.ntj.jac.go.jp/nou/event/1884.html