友人の案内で、東大寺の修二会(しゅにえ)へ行ってきました。修二会は「お水取り」の名で知られ、3月12日の「籠松明(かごたいまつ)上堂」の儀式が呼び物ですが、実際には3月1日から14日にかけて、毎日、練行衆と呼ばれる僧侶たちが、「六時の行法」を規則正しく行う、厳粛でハードな法要です。
3月12日の籠松明上堂の日には入場制限ができるほどの人混みだそうですが、それ以外の日にもお松明の上堂は行われます。毎日夜7時に、10本の松明が登り廊を登り、舞台を赤く照らします(14日は6時半)。添付した動画は3月6日に撮影したものです。
このほか、毎日深夜に行われる「神名帳読み上げ」や、5日と12日の深夜に行われる「過去帳読み上げ」などを聴聞するのもよいでしょう。練行衆が美声で、独特のフシをもって神名帳や過去帳を読み上げます。一般の人々も堂内の局(つぼね)で聴聞することができます。暗くて寒い堂内で、神秘的な体験ができますよ。でも、聖武天皇や源頼朝らの名前に混じって、藤山寛美の名も読み上げられたのはちょっと面白かった。