2011/11/11
東京古典会
今日から東京古典会の大入札会が始まりました。
古典会創立100周年を記念する会とあって、今回はなかなか逸品揃い。是非ほしいけれども、能研の限られた予算ではどうにも届かないものも多く、なんともはがゆいところですが、能研でもいくつか入札を検討しています。戦果は追ってご報告します。
夏の七夕古典会では、光悦謡本と同様の雲母刷料紙を用いた八十島道除(朝倉家臣の出で、後藤堂高虎の右筆となった人物。書家として有名)筆『今川壁書』に入札しましたが、あと一歩のところで及ばず。
後で知りましたが、これには兼担所員の小秋元先生も札を入れられたものの、そちらもダメだったそうで、同じ戦で二度までも敗れたことになります。ところが、その後、京都の古書店の目録に、同じ八十島道除筆の貞永式目が挙がっているのを偶々目にし、能研で購入することができました。しかも、こちらには雲母刷の年代を推定する重要な手がかりとなる、八十島道除の年齢まで書いてあるのが特筆され、獲物を逃してがっかりしていたら、後からもっといい獲物をとらえることができた、といったところでしょうか。
写真は古典会とは関係ありませんが、先日行われた能楽セミナーの第二回目のものです。今回も盛況で90名をこえる来場者がありました。次回は14日の月曜日に行われます。最近『切合能の研究』という著書を出した新進気鋭の研究者、伊海孝充さんが登壇します。乞御期待。