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2011/04/03

まことの花

 昨年10月から刊行されている「新・週刊マンガ日本史」シリーズ、書店で御覧になったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ひょんなことから、この2月に出た『観阿弥・世阿弥』の監修を仰せつかったのが昨年の秋のこと。「監修」というととてもご大層な仕事のようですが、要は出版社から届いたストーリーや下絵をチェックしてダメ出しをするわけです。

 もう時効でしょうから(?)バラしてしまいますと、最初私の所に届けられた原稿には「現在演じられている能のほとんどが世阿弥の作品」を初めとするかなり昔の学説があちこちで紹介されていて、ツッコミどころ満載でした(笑)。マンガの方も個人的にいろいろ思うところがあって、かなり執拗に直しをお願いしました。何度も「ここはおかしい!」「こういう絵柄には絶対ならない!」と原稿を突っ返したので、編集者さんやマンガ家さんには相当煙たがられたことでしょう。
 
 専門的な学術書ではないこと、ビジュアル的にウケる絵である必要があること、そういう「大人の事情」も勿論わかります。でも、せっかく観阿弥・世阿弥がシリーズに取り上げてもらえたのだから、たとえ小学生向けを謳ったものであってもきちんとした内容にしたいではありませんか。さて、そんな私の切なる願いは一体どこまで叶えられたか。お知りになりたい方は、今すぐ書店へ!(笑)
(朝日新聞出版 新・週刊マンガ日本史(第17号)『観阿弥・世阿弥』,2011年2月刊,490円)