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2012/01/10

能面と能装束―神と幽玄のかたち―




年が明けてあっと言う間に十日も経ってしまいましたが、三連休最後の昨日、三井記念美術館で開催中の「三井家伝来 能面と能装束―神と幽玄のかたち―」をようやく見に行くことができました。平成20年度に国の重要文化財として一括指定された旧金剛宗家伝来能面54面をはじめ、面打師の橋岡一路氏からこの度寄贈されることとなった能面8面に謡本(元和卯月本)を加え、楽器や能装束も展示されている、非常に贅沢な展示です。

展示室は

・囃子の楽器と謡本(能管・鼓胴、元和卯月本、光悦謡本、能絵歌留多)
・面箱
・茶道具の取り合わせ(茶室の設えをそのまま再現)
・神々のかたち(翁面、尉面、鬼神面)
・幽玄のかたち(男面、女面)
・橋岡一路氏新寄贈品
・能装束(辰年にちなんで龍文様の装束が幾つか。同じく龍つながりで?〈道成寺〉の装束も。あ、でもこれは龍じゃなくて蛇か)

というテーマで陳列されており、比較的ゆったりと見ることができるようになっています。三井家の能面は新井薬師の三井文庫時代にも見に行ったことがありますし、こちらの美術館でも開館記念特別展などでお目に掛かってはいるのですが、それでもやはり龍右衛門作の「花の小面」(私は親しみを込めて「花ちゃん」と呼んでいます)や「孫次郎」(同様に「オモカゲさん」)を見ると、久しぶりに顔なじみに会ったような懐かしさを覚えるのです。彼女らが舞台に立ったところを見てみたいなあ、どんな曲が似合うかなあ・・・などと妄想するのもまた楽し(笑)。

会期は今月28日までです。花ちゃんとオモカゲさん以外にもバラエティ豊かな能面たちがお出迎えしてくれます。お気に入りの面を探しに足を運んでみてはいかがでしょう。併設のミュージアムショップも楽しいし、カフェのケーキも美味しいですよ!