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2011/06/12

新・能楽講座 〈鵺〉徹底分析 が始まりました

皆さん、こんにちは。鬱陶しい季節ですが、いかがおすごしでしょう?

さて、今年も法政大学エクステンションカレッジ、新・能楽講座が始まりました。今年とりあげるのは〈鵺〉。6月11日(土)に第1回の講座が催され、私こあきもとが本説となった『平家物語』のお話をしました。お聞きくださった皆さま、どうもありがとうございますm(_ _)m

『平家物語』巻四には源頼政による二つのヌエ退治の話が載せられています。一度目に頼政が仕留めたのは、頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎という合体怪獣で、鳴き声が鵺に似ているというものでした。二度目に退治したのは、鳥の鵺そのものです。

鵺は「ヒヒ」と鳴いて、その声が不吉なものと考えられていたようです。平安時代には、その鳴き声を聞こうものなら占いをしたり、呪文の和歌を唱えたりと、対応が結構大変だったみたいで(笑) 

ただでさえ鳥は冥界と行き来する存在。特に、夏の夜を代表するホトトギスは、その鳴き声がシデノタオサと聞きなされ、死出の山からやってくる鳥とも考えられていたことは有名ですよね(西村亨『王朝びとの四季』講談社学術文庫、解説:益田勝実)。

わが鵺も、古記録上、四月から六月(旧暦)までの夏に散見されるようで、ちょうど今のような時期の晩に登場したのでしょうか……。