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2012/11/26

今年も現代能楽論(身体芸術論)

今年度も、現代能楽論(身体芸術論)の実習が終わりました。矢来(九皐会)と青山(銕仙会)の能楽堂をお借りして、それぞれ2コマ(3時間)ずつ。
昨年度は矢来での様子(唐織を実際に手にとりはおり、もう一度たたんでしまう練習)を報告しましたので、今年は青山での実習の様子を。

まずは舞台に上って能舞台各所の説明。それから謡の練習。〈猩々〉の謡の最後(醒むると思へば…めでたけれ)を、いきなり無本、口移しで一人ずつ謡わされ、一番はじめに「はいやってみましょう」と言われた女子学生など、銕之丞先生の迫力(お優しいのですが迫力はスゴイ)に泣きそうな顔。でも、みなさん元気に謡っていました。




 
それからカマエとハコビ、サシコミ・ヒラキ、左右などの基本を少し。






能の所作の難しさを実感した後、銕之丞先生の〈序ノ舞〉と〈舞働〉を見せていただきます。贅沢!(残念ながらその部分の写真はありません)

そして装束の着付を体験し、素晴らしい能面のいくつかを見せていただきながらお話を聞いて、終わりました。
 着付けが済み、能面のどこを持つか、教わっています。
 
  

 こちらは鬼の着付けです。













毎回、銕之丞先生と、助手をつとめる安藤先生にお世話になり、このような貴重な経験をさせていただいています。
今年は少人数だったこともあり特に、銕之丞先生の様々な言葉が学生の胸にしみ入っている様子が伝わってきました。やはり、本物の迫力は、スゴイです。ありがとうございました。


 










60周年記念シンポジウムのスナップ

 
去る11月18日(日)、能楽研究所創立60周年記念シンポジウム「能の所作を考える―通底するもの・際だつもの―」が無事終了しました。おかげさまで、のべ180~190名ほどの方々にご参加いただき、大盛況でした。こういう催しは、まずはたくさんの方に聞いていただくことが大事だと思います。当日はいろいろと面白い能の会などもありましたが、午前中だけ、午後だけ、という形でこちらにもお運びくださったかたも多く、感謝・感激です。ありがとうございました。
各講師の皆様のお話も大変おもしろく、全体討議も盛り上がりました。登壇者のみなさま、また会場からご意見やご質問をくださったみなさま、そして、朝10時から夕方5時半までの長丁場をおつきあい下さったたくさんのみなさまに、心から御礼申し上げます。

当日のスナップを載せておきます。




 
 



以下は、昼休みのロビーの様子です。能コンポーザーの実演や、15日(木)のワークショップの内容を掲示したポスターセッションにも興味を示してくださる方が多くいらして、ほっとしました。(閑古鳥が鳴いていたらどうしようかと思っていました。)



 












 
木曜日のワークショップでは説明しきれなかった問題をポスターにしました。
 


そして最後はお祝いに頂いたお花です。


 
           

2012/11/16

能楽実験工房

昨日、青山の銕仙会の舞台で、江戸初期の型付を実験的に復元するというプロジェクトを行いました。



能研の山中所長ほか、若手メンバー(中司・江口・深澤・柳瀬)が中心となって数年読み進めてきた金春流の秋田城介型付に関する共同研究の成果報告で、能楽学会の例会とタイアップしての企画です。




江戸初期の型付に見える用語をどう解釈すればよいのか。演者(金春流の井上貴覚氏と観世流の馬野正基氏)と数回にわたって議論を交わした試行錯誤の経緯の説明があった後、実験的に復元した型を、現行の型と比較しつつ、実演でご覧いただきました。



その成果は明後日(18日)行われる能研六十周年記念イベントの「能の所作を考える」でも、ポスターセッションとしてみなさんにご紹介する予定です。

2012/11/13

福岡市博「能のかたち」展に行ってきました

先の土曜日、福岡市博物館で行われている「能のかたち」展に行ってきました。

能面・装束の名品、福岡藩黒田家と能との関わりを物語る資料を紹介する展示で、能楽研究所からも黒田家旧蔵の謡本やお抱え役者、梅津只円に関する資料などを出展いたしました。

展示では、井関・出目という二大世襲面打家の作品が一堂に会した能面コーナーがなんといっても見もの。

一般には馴染みが薄いのですが、大光坊作の面や井関親信・親政といった名工の作品を同時に鑑賞できるのは、能面好きにとって小躍りしたくなるようなことなのです。

というのも、これらの能面は北は東北地方から南は高知県まで各地に分散していて、同じ作者の作品を一か所で集中して見る機会がほとんどありません。よくぞ集めてくれました、と担当の学芸員に心の中で拍手喝采した次第。

この展示、こないだの日曜日で終わってしまいましたが、図録はまだ買えます。かなり分厚く、解説もなかなか力のこもった充実した一冊。
通信販売は十二月二十七日までだそうで(下記アドレスにアクセスしてください)、ご関心の向きはぜひ!
http://museum.city.fukuoka.jp/blog/news/1394/